【図解でわかる!】基本のマーケティングフレームワーク【15選】
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- 「マーケティング戦略を策定する手法を知りたい」
- 「マーケティングフレームワークの活用方法がわからない」
日々変化を続けるマーケティングの世界で、市場や顧客のニーズを分析しビジネスを発展させていくのは容易ではありません。
SNSの普及やAI技術の進歩は目まぐるしく、人々の消費活動にも大きな変化が訪れています。
そんな状況の中、企業のマーケ人材には、より確度の高いマーケティング戦略が求められています。
マーケティング戦略の策定には「マーケティングフレームワーク」を活用することで、市場や顧客のニーズを効率よく分析することができます。
さらにマーケティングフレームワークは、スピーディーな意思決定と、戦略の実行のガイドとして非常に有用です。
本記事では、組織全体のマーケティング活動をより効果的かつ効率的に進めるための基盤となる、【基本のマーケティングフレームワーク15選】を分かりやすく解説していきます。
目次
- 1 マーケティングにおけるフレームワークとは?
- 2 マーケティングフレームワークの「3つのメリット」
- 3 マーケティングフレームワークの「3つのデメリット」
- 4 マーケティングフレームワークの一覧表【15選】
- 5 マーケティングフレームワークの活用法を解説【15選】
- 5.1 【PEST分析】自社をとりまく外的要因を分析
- 5.2 【5Force分析】自社をとりまく5つの脅威を分析
- 5.3 【SWOT分析】自社の強みと弱みを分析
- 5.4 【3C分析】自社の競争力を分析
- 5.5 【STP分析】自社のポジションを分析
- 5.6 【ペルソナ分析】顧客理解を深め分析
- 5.7 【KBF分析】顧客の意思決定要因を分析
- 5.8 【カスタマージャーニー分析】顧客の購入体験を細分化
- 5.9 【4P分析】マーケティング施策ついて分析
- 5.10 【4C分析】顧客目線でマーケ施策を分析
- 5.11 【ファネル分析】マーケ施策の歩留まりを分析
- 5.12 【マインドマップ】脳内を整理し生産性を上げる
- 5.13 【ピラミッドストラクチャー】根拠を論理的に組み立てる
- 5.14 【ロジックツリー】問題の原因や解決法を分析
- 5.15 【PDCAサイクル】課題を継続的に見直す
- 6 マーケティングフレームワークの「6つの役割」について
- 7 マーケティングフレームワークを利用するオススメの順番
- 8 マーケティング戦略を成功させる「3つのポイント」
- 9 まとめ:マーケティングフレームワークで効率的に成果を上げよう
マーケティングにおけるフレームワークとは?
「マーケティングフレームワーク」とは、組織全体のマーケティング活動をスムーズに進めるための、考え方の枠組みのことです。
そもそもマーケティングとは、以下にもあるとおり、顧客のニーズに応え、商品やサービスが売れる仕組みを構築するための包括的な活動のことを指しています。
マーケティング(marketing)とは、企業活動における「売れる仕組みの構築」に関する活動の総称である。市場と顧客の需要を明確にし、それに基づき商品を作り、商品の存在を広く知らせつつ需要を喚起し、そして顧客の需要を満たし、最終的に自社の利益にも繋げる、といった一連の戦略的な企業活動の総体である。
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「マーケティング」という概念の中には、自社をとりまく環境の分析~戦略の立案~実行~改善まで、多岐にわたる活動が含まれています。
企業の各部門でマーケティングフレームワークを適切に活用していくことで、全体的なマーケティングの成功につながります。
マーケティングフレームワークの「3つのメリット」
マーケティングフレームワークを利用することで得られる3つのメリットと、その理由について説明していきます。
- 情報を抜け漏れなく整理できる
- 問題点や改善点を発見しやすくなる
- 時間的コスト、人的コストを削減できる
情報を抜け漏れなく整理できる
あらかじめ用意されているフレームワークに沿ってマーケティング活動を進めていくため、必要な情報を抜け漏れなく網羅的に活用することが可能になります。
担当者の頭の中だけで進めてしまうと、どうしても個人の考えに偏ってしまったり、思い込みだけで意思決定をしてしまうケースが発生してしまいます。
中立的な立場で、客観的に情報を整理できる点も、マーケティングフレームワークを利用するメリットです。
問題点や改善点を発見しやすくなる
フレームワークには、マーケティング戦略の実行~改善に関わるものがあります。
「マーケティング戦略を策定したものの、実行や改善がおろそかになってしまった」
「問題の根本的な原因がわからないまま放置されている」
というような事態を避けるためにも、フレームワークを利用して継続的に問題点や改善点の洗い出しを行っていきましょう。
時間的コスト、人的コストを削減できる
あらかじめマーケティングに最適化されたフレームワークを利用することで、効率的にマーケティング活動を進められるようになります。
業務に追われてなかなか時間の取れないマーケターも、フレームワークを活用することで業務効率化が可能です。
また、型に沿って進めていくので、経験の浅いマーケターでも再現性高く、分析や戦略の立案を進めていくこともできるようになります。
マーケティングフレームワークの「3つのデメリット」
続いて、マーケティングフレームワークによってもたらされるデメリットと、その理由について説明していきます。
- 創造性が損なわれる可能性がある
- 中途半端になってしまうリスクがある
- 適したフレームワークを選択しないと効果が出にくい
創造性が損なわれる可能性がある
フレームワークには、あらかじめ型が決まってしまっています。
そのため、新しいアイディアやアプローチが生まれにくくなってしまう可能性があります。
創造性やイノベーションが重視される場面では、フレームワークの利用が逆効果になってしまう場合もあるため、使用する場面をよく吟味する必要があります。
中途半端になってしまうリスクがある
特に小規模な企業やチームの場合、マーケティングにかけられる時間やリソースには制限があります。
フレームワークのすべての要素をしっかり考え抜くことが難しければ、結果的に中途半端なマーケティング戦略になってしまい、思うように結果が出ない可能性があります。
適したフレームワークを選択しないと効果が出にくい
マーケティングフレームワークには、それぞれ特化した活用方法があり、適切なフレームワークを選択することが重要です。
「このフレームワークがいいと聞いたことがあるから」
などの曖昧な理由で何となく導入すると、結果的に一貫性のない分散したマーケティング活動になってしまい、結果につながらないといったリスクが考えられます。
フレームワークの導入には、明確な「目的」「計画」が不可欠です。
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マーケティングフレームワークの一覧表【15選】
フレームワーク名 | 特徴 | 役割 |
---|---|---|
PEST分析 | 自社をとりまく外的要因を分析 | ビジネス環境の分析 |
5Force分析 | 自社をとりまく5つの脅威を分析 | ビジネス環境の分析 |
SWOT分析 | 自社の強みと弱みを分析 | ビジネス環境の分析 |
3C分析 | 自社の競争力を分析 | ビジネス環境の分析 |
STP分析 | 自社のポジションを分析 | ビジネス環境の分析 |
ペルソナ分析 | 顧客理解を深め分析 | 顧客中心の分析 |
KBI分析 | 顧客の意思決定要因を分析 | 顧客中心の分析 |
カスタマージャーニー分析 | 顧客の購入体験を細分化 | 顧客中心の分析 |
4P分析 | マーケティング施策ついて分析 | マーケティング戦略最適化 |
4C分析 | 顧客目線でマーケ施策を分析 | マーケティング戦略最適化 |
ファネル分析 | マーケ施策の歩留まりを分析 | マーケティングプロセスの可視化 |
マインドマップ | 脳内を整理し生産性を上げる | 情報・思考の整理 |
ピラミッドストラクチャー | 根拠を論理的に組み立てる | 情報・思考の整理 |
ロジックツリー | 問題の原因や解決法を分析 | 情報・思考の整理 |
PDCAサイクル | 課題を継続的に見直す | 継続的な改善 |
マーケティングフレームワークの活用法を解説【15選】
ここからは、 1つひとつのフレームワークの活用法について分かりやすく解説していきます。
【PEST分析】自社をとりまく外的要因を分析
「PEST分析」とは、企業や組織をとりまく外部環境を「4つの要素」から分析するマーケティングフレームワークです。
主に、マーケティング戦略の意思決定をサポートする目的で利用されています。
「PEST」とは、下記4つの要素の頭文字を取っており、「ペスト」と読みます。
- Political(政治的要因)
- Economic(経済的要因)
- Social(社会的要因)
- Technological(技術的要因)
それぞれのセクションで「どのような外部要因がある?」「自社が受ける影響は?」という外的なリスクとチャンスを見極めることで、大局的な戦略の策定に役立てることができます。
【5Force分析】自社をとりまく5つの脅威を分析
「5Force分析」とは、自社のビジネスに影響を与える可能性のある「5つの脅威」を分析するマーケティングフレームワークです。
利用目的は、企業や組織が市場内でどれくらいの競争力を持っているかを評価し、戦略の策定に役立てることです。
5Forceでは、下記の5つの外部的な脅威について深く分析していきます。
- 業界内の競争
- 新規参入の脅威
- 代替品の脅威
- 買い手の交渉力
- 供給者の交渉力
自社の競争力が弱いと、価格競争に巻き込まれてしまったり、利益率が低下してしまうリスクが考えられるため、競争力を強化していくための戦略を考えていきましょう。
【SWOT分析】自社の強みと弱みを分析
「SWOT分析」は、企業やプロジェクトの強みを「4つの要素」から分析するマーケティングフレームワークです。
自社の内部環境と外部環境の現状を客観的に把握することで、マーケティング戦略の意思決定に役立てる目的で利用されています。
「SWOT」とは下記4つの要素の頭文字を取ったもので、「スウォット」と読みます。
- Strengths(強み)
- Weaknesses(弱み)
- Opportunities(機会)
- Threats(脅威)
自社の強みを活かし、弱みを改善し、機会を追求し、脅威に備えることで、マーケティング戦略の成功確度を上げることが可能です。
【3C分析】自社の競争力を分析
「3C分析」は、「3つの円」を利用して、自社を取り巻く市場環境の現状を分かりやすく視覚化するマーケティングフレームワークです。
企業がどの領域で価値提供できるか現状を把握し、競争力を高めるためのマーケティング戦略を策定することが、主な活用目的です。
「3C」は、下記3つの要素の頭文字を取っており、「さんシー」「スリーシー」と読みます。
- Customer(顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合)
3つすべての円が重なり合う部分は競合他社が参入している「レッドオーシャン市場」、自社と顧客の2つの円が重なる部分は、自社だけが価値提供できる「ブルーオーシャン市場」となり、積極的に狙っていくべき領域となります。
【STP分析】自社のポジションを分析
「STP分析」は、具体的に自社のポジションを定め、競争優位性を高めるためために利用されるマーケティングフレームワークです。
下記3つのステップの頭文字をとり、「STP分析」と呼ばれています。
- Segmentation(セグメンテーション)
- Targeting(ターゲティング)
- Positioning(ポジショニング)
STP分析の進め方は、「セグメンテーション」で市場を細分化したのち、
「ターゲティング」で、先ほど細分化した市場からターゲットとしたい市場を定め、
「ポジショニング」で、自社が優位に立てるようなブランドメッセージを差別化していく、というような流れになっています。
【ペルソナ分析】顧客理解を深め分析
「ペルソナ分析」とは、ターゲットとなる顧客を「たった1人」に絞り込み、できるだけ具体的な人物像を作成していく方法です。
ターゲットとなる顧客層の典型的な特徴や、行動パターン、生活様式、ニーズ、考え方などを反映した架空の人物像を作っていきます。
実際に「実在している人」と思えるほど具体的に設定することが大事です。
実際の顧客を分析したり、似た属性を持つ人にインタビューを行うことで、より粒度の高い「ペルソナ像」を作成することが可能です。
ペルソナ分析を活用することで、顧客に対してよりパーソナライズされた価値を提供できるようになり、マーケティング戦略全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。
【KBF分析】顧客の意思決定要因を分析
「KBF分析」とは、顧客が製品やサービスを購入する際に「何を重視して選んでいるのか?」という点を分析する手法です。
利用目的は、マーケティング活動や商品の開発を顧客目線で最適化していくことです。
「KBF」は「Key Buying Factors(キーバイイングファクター)」のことで、「重要購買決定要因」という意味です。
KBFになる要素としては、下記のようなものが挙げられます。
- 価格の安さ
- 性能の良さ
- サービスの充実度
- レビューの評価
- 実績
- 立地
- 納期
他にも、業界特有のKBFとして、宿泊業で「空室情報」「設備の充実度」、アパレル業界で「流行のファッション」「着回し力」などが挙げられます。
自社の思い込みではなく、顧客分析目線で自社サービス購入の決め手を分析することで、今後のマーケティング戦略の成功確度を上げていきましょう。
【カスタマージャーニー分析】顧客の購入体験を細分化
「カスタマージャーニー分析」は、顧客が製品やサービスを認知 → 購入 → 利用 → 継続 → 再購入 → 紹介 →・・・と進んでいく道のりを視覚化し、分析する手法です。
「カスタマージャーニー」とは、直訳すると「顧客の旅」となります。
カスタマージャーニー分析を行う際は、「どのように自社製品と出会い」「どんな道のりで購入体験にたどり着くか」という購入体験を時系列でまとめていきます。
利用される目的は、下記のようなものがあります。
- 顧客の行動を把握
- 顧客のポジティブな感情を理解
- 顧客のネガティブな感情を理解
- 顧客との接触ポイントを把握
各プロセスでの顧客の行動や感情を詳しく分析することで、顧客の購入体験を最適化し、購入、再購入につながる確度を高めていくことできます。
【4P分析】マーケティング施策ついて分析
「4P分析」は、マーケティング戦略の「4つの基本要素」を組み合わせて最適な戦略を策定するためのマーケティングフレームワークです。
「4P」とは、下記の4つの要素の頭文字から名づけられています。
- Product(製品)
- Price(価格)
- Place(流通)
- Promotion(プロモーション)
4P分析の各要素は、それぞれ独立しているのではなく、お互いに影響しあって決まります。
例えば、製品が希少価値の高いものであれば、価格もそれに見合ったものとし、流通チャネルもふさわしいものを選び、プロモーション活動も製品の価値が伝わるものにする必要がある、といった具合です。
4P分析を利用する目的は、マーケティング戦略の全体像を体系的に理解することで、ターゲット市場に対して最適なマーケティング戦略を策定していくことです。
【4C分析】顧客目線でマーケ施策を分析
「4C分析」は、顧客視点からマーケティング戦略を考えていくためのフレームワークです。
先ほど紹介した「4P分析」が企業目線でのマーケティング戦略策定に使われるのに対して、「4C分析」は顧客のニーズを中心にしたマーケティング戦略を策定する際に役立ちます。
「4C」は、下記の4つの要素の頭文字をとって名づけられています。
- Customer Value(顧客価値)
- Cost to the Customer(顧客コスト)
- Convenience(利便性)
- Communication(コミュニケーション)
「4C分析」と「4P分析」には、企業目線、顧客目線の違いはありますが、それぞれの内容は対応しています。
下記が4Cと4Pの対応関係です。
4C分析 | 関係 | 4P分析 |
---|---|---|
Customer Value(顧客価値) | ⇔ | Product(製品) |
Cost to the Customer(顧客コスト) | ⇔ | Price(価格) |
Convenience(利便性) | ⇔ | Place(流通) |
Communication(コミュニケーション) | ⇔ | Promotion(プロモーション) |
4C分析と4P分析の両面からマーケティング戦略を考えていくことで、より顧客に寄り添った、顧客満足度の高いマーケティング戦略を策定することが可能になります。
【ファネル分析】マーケ施策の歩留まりを分析
「ファネル分析」は、ユーザーの行動を段階ごとに視覚化し、特定のゴールに達するまでのプロセスを分析する手法です。
「ファネル分析」の主要なステップとしては、下記のようなものがあります。
ステップ名 | 各段階のゴール |
---|---|
認知 | ユーザーが製品やサービスを知る |
興味 | ユーザーが製品やサービスに興味を持ち始める |
検討 | ユーザーが購入を検討する |
意欲 | ユーザーが購入を決意する |
購入 | ユーザーが実際に購入を完了する |
それぞれの段階ごとに顧客体験を向上させることができれば、最終的に購入に至るコンバージョン率を高めていくことが可能です。
各段階ごとの転換率や、離脱率を計測することで、プロセス全体でボトルネックとなっている箇所を特定し、改善していくための戦略を策定するのに役立ちます。
【マインドマップ】脳内を整理し生産性を上げる
「マインドマップ」とは、思考やアイディアを分かりやすく視覚的に整理するための手法です。
マインドマップを利用することで、全体像が「パッと一目で把握できる」ようになり、よりテーマへの理解が深まります。
具体的なマインドマップの作り方は、中心にテーマや問題を置き、そこから関連するキーワードやアイディアを放射状に広げて書き出していくことで、情報を視覚的に整理していきます。
マインドマップをマーケティングに活用する方法として、具体的な活用法をいくつか紹介します。
- 競合の分析
- ターゲット顧客の理解
- コンテンツ作成の計画と管理
- マーケティング戦略の全体像を把握
- アイディア出し(ブレインストーミング)
マインドマップには決まったフレームワークの型がなく、自由な発想を促すことができるツールのため、創造性やイノベーションが重視される場面にも役立ちます。
【ピラミッドストラクチャー】根拠を論理的に組み立てる
「ピラミッドストラクチャー」は、情報を階層的に整理し、簡潔に相手に伝えるための手法です。
主に、ビジネスコミュニケーションや文書作成の際に用いられる手法で、「結論」を先に提示してから段階的に「詳細」を示していく構造になっています。
ピラミッドストラクチャーをマーケティング活動へ活かすための具体的な活用方法を、いくつか紹介します。
- 論理的な意思決定
- プレゼンテーション
- コミュニケーション
- レポートや提案書の作成
- キャッチフレーズの作成
ピラミッドストラクチャーを用いることで、情報が一貫して伝わりやすくなり、説得力のあるコミュニケーションが実現できます。
また、情報を論理的に整理することで、チーム内の意思決定を促すことも可能になります。
【ロジックツリー】問題の原因や解決法を分析
「ロジックツリー」は、複雑な問題や課題を分解し、原因や解決策を体系的に整理するためのフレームワークです。
「マインドマップ」の形状と似ていますが、ロジックツリーでは、一方向にのみ枝を伸ばしていくトップダウンの形で、問題を細分化していきます。
具体的なロジックツリーの作り方は、「ルート(根)」→「ブランチ(幹)」→「サブブランチ(枝)」のように、枝分かれさせながら、階層的に情報を整理していきます。
複雑に見える課題も、根本的原因を掘り下げることで、効果的な問題解決や意思決定が可能になります。
【PDCAサイクル】課題を継続的に見直す
最後にご紹介するのが「PDCAサイクル」です。
一度、実行に移したマーケティング戦略を継続的に改善していくことを目的とした手法です。
「PDCA」とは、下記の4つの段階の頭文字をとって名付けられています。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(確認)
- Act(改善)
「計画」→「実行」→「確認」→「改善」のプロセスを繰り返すことで、マーケティング戦略を継続的に改善していくことができ、マーケティング戦略のパフォーマンスを向上させることができます。
PDCAサイクルを活用すると、マーケティング戦略の策定から、販促キャンペーンの実施、製品やコンテンツの作成まで、様々な場面での改善活動に役立ちます。
マーケティングフレームワークの「6つの役割」について
マーケティングフレームワークを利用する際には、それぞれの役割を理解し、目的に合ったフレームワークを選ぶことが大事です。
マーケティングフレームワークは、大きく分けて「6つの役割」を担っています。
- ビジネス環境の分析
- 顧客中心の分析
- マーケティング戦略最適化
- マーケティングプロセスの可視化
- 情報・思考の整理
- 継続的な改善
この6つの役割を効果的に活用することで、企業や組織の競争力を高めていくことができます。
ビジネス環境の分析
「ビジネス環境の分析」では、フレームワークを利用して、自社ビジネスを取り巻く「外部環境」と「内部環境」の両方を分析していきます。
利用されるフレームワークには「PEST分析」「5Force分析」「SWOT分析」「3C分析」「STP分析」などがあります。
ビジネス環境を把握することによって、機会とリスクを明確にし、戦略的な意思決定をサポートします。
顧客中心の分析
「顧客中心の分析」では、ターゲット顧客のニーズ、行動、購入プロセスを分析するフレームワークを利用していきます。
主に利用されるフレームワークには、「ペルソナ分析」「KBI分析」「カスタマージャーニー分析」などが挙げられます。
企業目線だけではなく、顧客のニーズに応える戦略を策定することで、よりマーケティング戦略の効果を高めていくことができます。
マーケティング戦略最適化
「マーケティング戦略最適化」では、フレームワークを利用して、マーケティングの「4つの基本要素」を組み合わせて最適な戦略を策定していきます。
利用されるフレームワークには、「4P分析」「4C分析」があり、それぞれ企業目線、顧客目線で、具体的なマーケティング戦略に落とし込んでいきます。
市場や顧客ニーズの変化に柔軟に対応したマーケティング戦略の策定が可能です。
マーケティングプロセスの可視化
「マーケティングプロセス」の可視化では、マーケティング活動を段階的に分け、それぞれのプロセスを最適化していくことでマーケティング戦略全体のパフォーマンスを高めていきます。
主に、「ファネル分析」のフレームワークが利用されますが、「マインドマップ」などの手法を用いる場合もあります。
情報・思考の整理
「情報・思考の整理」では、思考・アイディア・情報・課題などを分かりやすく整理し、マーケティング活動の最適化を図ります。
「マインドマップ」「ピラミッドストラクチャー」「ロジックツリー」などのフレームワークを用いて、複雑な情報をシンプルかつ効果的に整理します。
継続的な改善
「継続的な改善」では、「PDCAサイクル」を用いて、マーケティング戦略を継続的に改善していきます。
「計画」→「実行」→「確認」→「改善」のサイクルを繰り返すことで、一度実行に移したマーケティング戦略を、何度もブラッシュアップさせ、成果を向上させることができます。
成功した要因・失敗した要因を見直し改善することで、マーケティング戦略全体のパフォーマンスを上げていきます。
マーケティングフレームワークを利用するオススメの順番
ここまで、マーケティングフレームワーク15種類と、それぞれの担う6つの役割について解説してきましたが、
「結局、どれから手を付ければいいの?」
と思われた方も多いのではないでしょうか?
企業や組織をとりまく状況や課題は多様なので、「このフレームワークを使えば絶対に大丈夫」と断言することはできませんが、いくつかの状況に合わせてフレームワークを利用する順番をご紹介します。
新規マーケティング戦略策定のためのフレームワークの使い方
- 【ビジネス環境の分析】
- PEST分析
- 5Force分析
- SWOT分析
- 3C分析
- STP分析
- 【顧客中心の分析】
- ペルソナ分析
- KBI分析
- カスタマージャーニー分析
- 【マーケティング戦略最適化】
- 4P分析
- 4C分析
- 【情報・思考の整理】
- ピラミッドストラクチャー
新規でマーケティング戦略を策定する際には、「ビジネス環境分析」「顧客中心の分析」「マーケティング戦略最適化」のプロセスが必須です。
上記で紹介した流れに沿ってマーケティングフレームワークを利用していけば、抜け漏れなく網羅的に分析を進めることができます。
マーケティング戦略が固まったら、「ピラミッドストラクチャー」を利用することで論理的に内容をまとめ、戦略的な意思決定や、チーム内でのコミュニケーションを円滑に進めることが可能です。
既存のマーケティング戦略改善のためのフレームワークの使い方
- 【マーケティングプロセスの可視化】
- ファネル分析
- 【情報・思考の整理】
- マインドマップ
- ピラミッドストラクチャー
- ロジックツリー
- 【継続的な改善】
- PDCAサイクル
すでに進めているマーケティング戦略がある場合、「ファネル分析」で自社のマーケティングプロセスを細分化する所から始めていってみましょう。
ファネルのそれぞれの段階での課題を発見できたら、「マインドマップ」や「ロジックツリー」を利用して、抱えている問題の根本的原因を分析していきましょう。
さらに、「PDCAサイクル」で改善活動を継続的に行うことで、よりマーケティング戦略のパフォーマンスを向上させていくことが可能です。
競合他社の分析のためのフレームワークの使い方
- 【ビジネス環境の分析】
- PEST分析
- 5Force分析
- SWOT分析
- 3C分析
- STP分析
- 【顧客中心の分析】
- ペルソナ分析
- KBI分析
- カスタマージャーニー分析
- 【マーケティング戦略最適化】
- 4P分析
- 4C分析
- 【マーケティングプロセスの可視化】
- ファネル分析
- 【情報・思考の整理】
- マインドマップ
競合他社の分析にフレームワークを利用する場合は、競合他社の現状のマーケティング戦略をまとめていきましょう。
上記の流れで、「ビジネス環境の分析」「顧客中心の分析」「マーケティング戦略最適化」「マーケティングプロセスの可視化」を進めていくことで、、競合他社の取っているマーケティング戦略を網羅的に分析していくことが可能です。
最後には「マインドマップ」を利用して情報を視覚的にまとめることで、マーケティング戦略の全体像をより深く理解できるようになります。
マーケティング戦略を成功させる「3つのポイント」
急速に変化するビジネス環境の中で、マーケティング戦略を成功させることはますます困難になっています。
そんな中でもマーケティング戦略を成功させるためのポイントを「3つ」ご紹介します。
これらのポイントを重点的に実行することで、より成功確度の高いマーケティング戦略の策定を目指しましょう。
市場環境を徹底的に理解すること
マーケティング戦略を成功させる1つ目のポイントは、ビジネスをとりまく市場環境を分析し、理解を深めることです。
市場の動向、競争の激しさ、規制の変化、技術革新などをあらかじめ把握することで、企業が直面する機会と脅威を明確にし、戦略の基盤を築くことができます。
顧客体験を向上させること
2つ目のポイントは、顧客中心のアプローチによって、顧客体験を最適化することです。
インターネットやSNSの普及が進む現代のマーケティング環境において、顧客体験の満足度がさらに重視されるようになってきています。
企業目線の一方通行ではなく、顧客目線を取り入れたマーケティング戦略を策定することで、マーケティング戦略の成果を向上させることが可能です。
差別化戦略で優位性を確立すること
3つ目のポイントは、自社が優位に立てるような差別化戦略を取り入れることです。
競争の激しい市場では、競合他社と同じことをしていては、顧客に選んでもらうことはできません。
自社の差別化ポイントを明確にし、ターゲットに対して「自社でしか提供できない」独自の価値を提供することが、マーケティング戦略成功のための鍵になります。
まとめ:マーケティングフレームワークで効率的に成果を上げよう
企業が生き残り、成長を続けていくために、より確度の高いマーケティング戦略が求められている現状の中、
マーケティングフレームワークは、企業のマーケティング戦略をより効率的・効果的に行っていくために必要不可欠な存在です。
本質をしっかりと理解することで、手法にとらわれずに最大限活用できるようになりますので、ぜひ今回の記事を参考にしていただけますと幸いです。
~コムマーケティングからのお知らせ~
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合わせて読みたい: 採用マーケティングとは?導入メリットを具体的に解説
この記事の著者
comm-marketing コムマーケティング 社員
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