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採用マーケティングとは?導入メリットを具体的に解説

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企業の人材確保に悩む人事担当者が増えている昨今、従来の採用手法をアップデートし、採用活動にマーケティングの考えを取り入れる「採用マーケティング」に注目が集まっています。

この記事では「採用マーケティングとは何なのか?」「どのような手法があるのか?」という具体的な内容から、採用マーケティングを成功に導くためのポイントまで解説しています。

採用マーケティングとは?

「採用マーケティング」とは、企業の採用活動に「マーケティング」の考え方を取り入れる手法のことです。

従来の人事部の活動は、人事評価や、新人研修、人事配置などの細かな管理業務が大部分を占めていました。
しかし人材の獲得競争が激しい昨今では、自社にマッチする人材をコストパフォーマンス良く採用できる人事担当が評価されるようになっており、「マーケティング」の考え方を取り入れる方も増えています。

そもそも「マーケティング」とは何でしょうか?

”マーケティング(marketing)とは、企業活動における「売れる仕組みの構築」に関する活動の総称である。市場と顧客の需要を明確にし、それに基づき商品を作り、商品の存在を広く知らせつつ需要を喚起し、そして顧客の需要を満たし、最終的に自社の利益にも繋げる、といった一連の戦略的な企業活動の総体である。”

引用元: Weblio辞書

「採用マーケティング」に当てはめると、企業が自社に必要な人材のいる市場を把握し、適切なチャネルで情報発信することで、優秀な人材をコスパ良く獲得していく戦略的な活動と言えるでしょう。



採用マーケティングでは求職者の状況を、入社前から入社後までの「認知」「興味」「応募」「選考」「内定・内定承諾」の段階ごとに分類した、シンプルな「ファネル」として捉えます。

ファネルごとに詳しく分析することで、自社に必要な人材が存在するチャネルを見極めることができ、求職者に自社の求人情報を適切な場所で伝えることができるようになります。
一見して応募単価は安いが内定まで繋がりにくく、結果としてコストパフォーマンスが悪いチャネルはこの考え方で排除できます。

また、採用マーケティング全体を見た時に、「どのフェーズに問題があるか?」「選考の歩留まりはどの程度か?」といったデータを得ることができ、採用活動の改善につながる策を打てるようになります。例えば内定の承諾率が悪いのであれば、競合企業の条件を鑑みた上で、求人票の見直しを行うことになります。

そしてマーケティングと同じく、入口から改善を行なっていくことで、多くの場合パフォーマンスを上げやすいです。採用活動はチーム戦です。施策や改善点は無数に挙げられますが、チームとして優先順位、課題認識が揃えられると採用活動はアップデートし続けられるでしょう。

採用マーケティングについてまとめると、『年々厳しくなる採用市場で、人事部はコストパフォーマンス良く人材採用を行っていくことが求められており、数に限りのある人材市場で有利に採用活動を行っていくための解決策として、採用活動にマーケティングの考えを取り入れる「採用マーケティング」へ注目が集まっている』ということです。

採用マーケティングの3つの目的

採用マーケティングを行う企業は、一体どのような意図を持っているのでしょうか?

ここからは、企業が採用マーケティングを行う主な目的を3つ紹介します。

(1)採用コストを深く理解する

業界、職種、スキル、事業規模によって一人当たりの採用単価は大きくことなります。
特に経験者か、未経験かで採用コストは大きく異なりますし、採用チャネルも多種多様です。
総採用予算を単純に人数で割ることで、毎年の採用パフォーマンスを評価することも出来ますが、その後の社員の活躍度合いや在籍期間も踏まえると採用コストを深く理解するのは困難です。

一方、マーケティングの世界ではLTV(顧客の生涯で発生する利益のこと)の高い優良顧客をパフォーマンス良く集めることにずっと苦心しています。
LTV以外にもCAC(ひとりあたりの顧客獲得コスト)であったりチャーンレート(解約率)であったり、経済活動を表す指標はいろいろありますが、「採用マーケティング」でもこの考え方を踏襲します。
ただし、企業によって必要な人材は大きく異なるので重要視する指標も違いますし、オリジナルな指標を考えることも多いでしょう。
ここで具体的な例を上げることは難しいのですが、下記のマクドナルドの採用戦略の例では、クルーの満足度を独自のEVPという指標で定量化しつつ友人紹介での採用を確保し、コロナ後はオウンドメディアを中心に「マクドナルドっぽい」人材を集めた好例が記されていますので、参考までにぜひ一読いただければと思います。
日本マクドナルドが推進する採用マーケティング戦略

(2)潜在層にリーチする

従来の採用手法である「求人媒体での広告出稿」や「人材紹介」は今転職したい顕在層にリーチできる、これからも有用なチャネルかと思いますが、現在は潜在層にリーチできる手法も増えています。
そしてSNS、オウンドメディア、セミナーなどは潜在層にリーチできるチャネルです。
これらはコンテンツ力が求められる手法で即効性が出しにくい一方、コンテンツに触れた上で面談が出来ますので、ミスマッチが起こりにくい上に他のチャンネルとの相乗効果も見込めます。

BizReachなどのダイレクトリクルーティングでの採用活動でも潜在層へリーチできる方法かと思いますが、人材紹介のエージェントの方とほとんど同じスキルが求められます。

つまり潜在層にリーチする採用活動は総じて難易度が高いわけなのですが、ITエンジニアのような需給バランスが極端に売り手市場の場合、潜在層へのリーチも積極的に取り組んでいるかと思います。

(3)早期離職を防止する

「早期離職」とは、採用した人材が3年以内に離職してしまうことを指します。

採用コストや育成コストのロスにつながるため、企業にとってはなるべく早期退職を防ぎ、定着率を上げたいという思惑があります。

早期離職が発生してしまう原因は様々ですが、「給与の低さ」という理由を除くと、下記のような退職原因の割合が大きくなっています。

本当の退職理由回答者の割合
職場の人間関係が悪い35%
会社の将来性に不安を感じた28%
社風・風土が合わない24%
評価・人事制度に不満があった22%
新しい職種・別の業界にチャレンジしたい(合計)19%
出典:『エン転職』1万人アンケート(2022年10月)「本当の退職理由」実態調査

「職場の人間関係が悪い」だと採用マーケティングで解決できる範囲を超えていますが、いくつかのミスマッチ理由は採用チャネルの見直し、求人票の作り方、コンテンツの見せ方などで改善できる余地があります。

「採用ブランディング」と「採用マーケティング」の違い

「採用マーケティング」とよく似た採用活動で、「採用ブランディング」というものがあります。
採用マーケティングと採用ブランディングは、自社に合った人材を採用するという同じ目的を持っていますが、それぞれの施策には大きな違いがあります。

「採用マーケティング」とは、採用活動にマーケティングの考え方を取り入れ、コストパフォーマンスよく自社に必要な人材を確保することだと、前章まで述べてきました。

それに対して、「採用ブランディング」とは、自社の採用に有利になるような企業イメージを魅力的に発信することで自社をブランド化し、自社に合った人材の採用を行う活動を指します。

企業は採用ブランディングを行うことで、「○○業界で働くなら、御社がいい」と思い出してもらえるような「想起率の高い企業」を目指します。

「想起率の高い企業」はどうしてもランキングに挙げられる大企業ばかりが目立ちますが、SNSやオウンドメディアを活用して採用ブランディングを行なっている企業も増えてきました。
潜在層へリーチすることで「採用ブランディング」、ひいては「企業ブランディング」につながります。

ただSNSやオウンドメディアの成功は難易度が高いです。弊社でもオウンドメディアの失敗の話を記事にまとめましたので、こちらもご覧ください。

採用マーケティングが注目されている背景とは?

採用費の高騰

2023年、東京のITエンジニアの人材紹介会社経由での採用コストは年収の50%というのが珍しくありません。(年収が700万円のエンジニア採用だと人材紹介会社へのフィーは350万円発生する。少し前だと35%が多くて50%はかなり珍しい。)
採用コストが高騰している職種やエリアが存在し、すぐに解消する見通しはありません。

そしてこれは一部の限られた職種の話ではなく、例えば飲食店も採用に苦戦しており、それが原因のひとつとして価格への転嫁が発生しているのは、みなさまも生活の中で実感していると思います。
労働人口が増える見込みはありませんので、これからも採用に苦戦する業界、職種は増えていくと考えられます。

少子高齢化による労働人口の減少

総務省の資料によると、2022年の労働力人口は6902万人となっており、前年に比べて5万人減少していることがわかります。

出典:総務省統計局 労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要

15歳~64歳までの働き盛りの世代についても、1990年には8,614万人でしたが、2020年には7,509万人、2070年には4,535万人まで減少していくことが見込まれています。

出典:厚生労働省 我が国の人口について

人手不足を懸念する企業が増加する中、潜在層までターゲットにし、採用のコストパフォーマンスを上げるための採用マーケティングの考え方が注目されています。

企業が選ばれる側になる時代に変化

働き手の減少により、優秀な人材の数が限られている中、企業間の人材獲得競争が起こっています。

2023年9月時点のデータによると、転職マーケットでの求人倍率は全体で「2.39倍」となっており、転職市場全体が「売り手市場」であることがわかります。

出典:転職求人倍率レポート(2023年9月)

業種によっては求人倍率が1を下回る業界もありますが(小売・流通・レジャー・外食)、人材サービス、IT・通信業界・コンサルティングでは、求人倍率5を上回っており、高度な技能を必要とする人材を確保するのが、大変難しい状況になっていることが分かります。

また、2020年8月と2023年8月の求人数を比較すると、約2.5倍に増えていることも分かります。

年々求人数が増え、人材を求める企業が増えている中で、数に限りある優秀な人材を取り合う競争が激化しています。

そのため、いかに優秀な人材を確保しできるかが企業存続の上での大きな課題となっており、採用マーケティングが注目される背景となっています。

採用マーケティングを取り入れるメリット

ここまでは、企業が採用マーケティングを行う目的や、採用マーケティングが注目されている背景を述べてきました。

ここからは、従来の採用活動に採用マーケティングを取り入れることで得られるメリットを3つご紹介します。

(1)予算への理解が得やすくなる

「採用マーケティング」の考え方を取り入れると、採用コストに対する説得力が増して予算も確保しやすくなります。

(2)現場からの協力が得やすくなる

潜在層へのリーチのためにはSNSやセミナーなどのコンテンツが重要となり、これは現場の人たちの協力が不可欠です。

(3)コスト意識が共有され、就業環境改善にも寄与できる

せっかく採用できたとしても、定着率が悪ければ無駄な採用コストがかさみますし、受け入れる現場の負担も上がります。

まとめ:採用マーケティングで選ばれる企業へ

「採用マーケティング」という言葉は、今まで感覚的にやっていただろう採用活動をマーケティングというフレームで整理していくという考え方に言い換えられます。良いお客様を集客することと同じくらい、良い社員を採用することが難しくなってきました。

そして人事に求められるスキルが変わってきています。採用業務に関しては、もうほとんどマーケッターです。

そして弊社はこの採用マーケティングを得意としております!戦略も広告もメディアもお気軽にご相談ください。
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この記事の著者

Hiroshi Kinjo

金城 寛

株式会社コマース21で大規模通販のエンジニアを経験後、30歳からベンチャー、事業会社を3社経験。 マーケティング部の責任者として新規事業開発、サービス開発、メディア開発、デジタルマーケティング全般を担当。 事業領域は人材、メディア、アパレル、ホームセンター、コンビニ、コスメ等を経験。

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